33週目前のある日、朝から軽い生理痛のような腹痛がありました。
横になって休んでいましたが、だんだん痛みが増してきて気がつけば起き上がれないくらい激痛になっていました。
陣痛のように波があるわけではなく、ずーっと痛みのピークが続きました。
その内吐き気もしてきて『これは尋常じゃない』と思い、救急車を呼んで出産を予定していた病院(個人病院)へ搬送してもらいました。
病院ではいろいろとデータを取ったり心音確認などをしていましたが、急に先生が険しい顔をしてエコー画像を見ながら悩んだ後、
「今から緊急帝王切開で赤ちゃんを出します」
と言われました。
胎盤剥離の疑いがあり、一刻も早く手術をしないといけないとのこと。
「えっもう産むってこと?」
と信じられませんでした。でも痛みがひどくてとりあえず何とかしてという気持ちもあり、頭が混乱した状態でした。
そのまま手術室へ運ばれ、麻酔をし、帝王切開開始。
開始から間も無く赤ちゃんが取り上げられました。が、赤ちゃんの泣き声は聞こえず姿も見ることもなく…すぐ別室へと連れて行かれました。
赤ちゃんは息をしていなくて危険な状態だったそうです。胎盤が剥がれてしまい赤ちゃんに酸素がいかなくなってしまったからだと後で知りました。
何とか蘇生措置をしてもらい、NICUがある総合病院へドクターカーで運ばれて行きました。
一方で私の方も子宮内で大量出血をしていたらしく、その処置をしてもらいました。
手術全般にわたり、麻酔で痛みはありませんが、何ともいえない気持ち悪い感触だったのと、吐き気も伴うものだったので、本当に辛かったです。
併せて手術中は赤ちゃんの生死すら私には分からず、精神的にもかなり追い詰められました。
手術が終わってから、赤ちゃんは何とか命をとりとめた事、あともう少しで危なかった事を聞きました。
手術後も麻酔が効いているので特に痛みはなかったですが、下半身が麻痺している感覚がもどかしく感じました。
いろんな事が急に起こって気持ちがハイになり、動き回りたい気持ちになっていたのかもしれません。
翌日には麻酔が切れ、痛み止めはずっと入ってるものの帝王切開した傷の痛みと子宮収縮の痛みがダブルで襲ってきてかなりきつかったです。
幸いにも子宮収縮の痛みは半日ぐらいでましになり、帝王切開の傷の痛みにも結構すぐ慣れて、手術の翌々日には歩けるようになりました。
ただ出産時の出血が多量だった為、鉄剤や血栓予防の注射、血液検査などでずっと点滴が何本も繋がっている状態でした。
赤ちゃんと対面できたのは手術から4日経って病院の一時外出許可が出てからでした。
NICUで頑張ってくれている我が子を初めて見て、出産したんだという実感が湧いてきました。
生まれてきてくれた喜びと、きちんとお腹で守ってあげられなかった申し訳なさで涙が出ました。
結局なぜ胎盤剥離になったのかは原因不明です。
それまでの妊娠生活ではつわりはきつかったものの、特に健診で異常はありませんでした。
胎盤剥離は胎児の死亡率が30~50%もあると後から知り、先生方には感謝の思いでいっぱいなのと同時に、本当にぞっとしました。
激しい腹痛が持続してある場合はとにかく早く病院でみてもらうべきだと思います。
産後2週間が経ち、1,600gで生まれた我が子はNICUにお世話になりながら順調に回復していってくれています。
仮死状態で生まれたので今後どんな影響が出るかはまだ分かりませんが、生きていてくれた事への感謝を忘れずに困難があっても乗り越えていきたいと思います。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:めめ
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