当サイトでご紹介した体験記の中に、
「母乳の出が悪く混合栄養で頑張ることにしたら、さらに母乳の出が悪くなったような…」という内容の記事がありました。
粉ミルクを与えようとしたところ、「母乳が出なくなるよ」と言われて怖くなったという人も多いようです。実際、粉ミルクを足して混合栄養にすると、母乳は出なくなるでしょうか?
気になる答えについて、産婦人科医宋美玄先生&小児科医森戸やすみ先生が、専門医としての根拠をもとにお答えする書籍『産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK』(メタモル出版)から一部抜粋してご紹介します。
Q. 混合にすると母乳が出なくなる?
A お母さんの体内で母乳を作ったり、作る能力を維持したりするのに必要なホルモンは、プロラクチンとオキシトシンです。これらのホルモンは、乳首に刺激が加わることによって分泌されます。
どういう刺激かというと、「吸啜(きゅうてつ)」といって赤ちゃんが乳首を口の奥までくわえ、舌の根と上あごでギュッギュッと締めつける刺激です。手指や搾乳器でも、類似した刺激を与えることができます。
このプロラクチンの分泌ベースは、妊娠中に右肩上がりに増加し、出産を終えると急速に減少に転じ、もしも赤ちゃんに吸わせずに搾乳もしなければ、産後1週間で妊娠前と同じくらいに戻ります。すると、当然、母乳の分泌量も少なくなってしまうのです。
逆に赤ちゃんが粉ミルクを飲んでいても、日常的に乳首への刺激が加えられていれば母乳は出続けます。
それなのに、なぜ混合にすると母乳が出なくなると言われるかというと、
粉ミルクでお腹がいっぱいになった赤ちゃんは、お母さんの乳首を吸う回数が減ってしまいがちだから。
実際、粉ミルクをあげるようになって、母乳が出なくなったというお母さんは少なくありません。
混合栄養を続けるためのコツは、赤ちゃんのお腹がへっている状態のときに乳房を吸ってもらってから粉ミルクを与えること。
赤ちゃんがあまりにもお腹がへっていたり、機嫌が悪かったりして、乳房を吸うのをどうしても嫌がる場合は先に粉ミルクをあげてもかまいませんが、一回の授乳でできるだけ乳房も吸わせるようにします。搾乳してもいいでしょう。
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