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ある日、突如宣告された「子宮頸がんの疑い」。離婚や死も覚悟した手術までの涙の日々

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自慢じゃないですが、お嫁には絶対行き遅れると思っていたワタクシ。

30歳目前で迎えた自身の結婚はまさに奇跡で、主人が若かったこともあり、「赤ちゃんはもう少し先でいいよね」としばらくの二人生活を満喫していたのでした。

ところがそんなある日、突如として私は、子宮喪失、離婚、そして死をも覚悟するような、まさに奈落の底に突き落とされるような事態に遭遇したのです。

その発端は、偶然お知り合いになった婦人科専門の女医さんに「婦人科検診を受けたことがないなんてありえない!女性の身体をナメちゃダメよ」と強く言われたことでした。

 

実は、20代を「仕事命」に過ごしてしまった私。

自治体から毎年来ていた婦人科検診のお知らせも「仕事を休めない」と捨て続け、会社での検診も、男女共通の最低限分しか受診せず。結果、女性特有の検診類を一切受けたことがないまま、30歳を迎えていたのです。

で、その先生の強い勧めもあり、ほどなく子宮がん検診を初受診。すると数日後に先生から急ぎの電話が来て、紹介状を書くので、すぐに大学病院に行くようにと言うのです。

その時の紹介状上の病名はまだ「高度異形成」というもの。そんな病名は初耳な上に自覚症状も全くなかった私は、何それ?と大した危機感も感じていませんでしたし、当然、妊娠出産に影響があるかもなんて思ってもみませんでした。

 

ところが、紹介された大学病院で詳しい検査(液体を塗布して病変を染め出すコルポ診や、そこをパンチ状の器具で数ミリ取って調べる組織診)をしたところ、なんと病名がいきなり「子宮頸がんの疑い」に。

しかも、癌になっている可能性が高いので、すぐに手術をしたほうが良いとのこと(「高度異形成」=細胞が癌になる手前の前癌状態だったのでした)。

さらに脳天を突いたのは、「恐らくそこまではいっていないと思うが、万一癌が進んでいたら、最悪の場合、子宮摘出になる可能性も出てくる、それは、手術で見た状況や摘出した組織を検査して判断する」との医師の言葉…。

 

もう、本当に、ウソでしょ…の一言でした。

当然ながら頭は真っ白。そこからは連日連夜、一人眠れずインターネットを検索する日々を過ごしますが、心理的なショックもあり、考えは悪い方悪い方へと進みます。

 後日、権威の先生が家族に詳しく説明して下さったのですが、「子宮頸がんの原因ウィルスには大多数の大人がかかっていて、誰でも子宮頸がんになりうる」というのが正しい知識なのだそうです。しかし当時はまだ子宮頸がんの予防接種や啓蒙が進んでいなかった頃、子宮頸がんは「遊び人がなりやすい病気だ」と誤解しており、そのことも私を悩ませる一因でした。

第一、この年齢での罹患率は10万人にたった16人。なのに「ナゼ、私?」、「ナゼ、まだ子供も産んでいない今…?」。さらに万一子宮摘出になって子供が産めなくなったら、孫を心待ちにしている主人の両親には何て言おう?万一離婚と言われても、文句は言えないんだろうな…そして私は生涯再発に怯えながら生きていくんだろうな…等々。

 

そして、手術までの私は、気分のアップダウンを繰り返します。悪い日には「あぁ私、死んじゃうのかな…子供産みたかったな…でも産んでから死んじゃったら子供や主人が悲しむかな…じゃぁこのまま静かにいなくなった方がいいのかな…」等と考える一方で、心配して周囲が泣いてくれたり、何度も「大丈夫だから」と繰り返されたりすると、表面上は何とか「ありがとう」と返しつつも、心の中では「私は死ぬつもりなんかないのに、まるで死んじゃうみたいな扱いしないでよ」「素人なのに簡単に大丈夫って言わないでよ」と思ったり…。

 

今思えば、それらは全て、極限の不安や精神の不安定さから来る被害妄想だったのですが、その時の私には、やはり物事を素直に受け止めるのすら難しかったのだと思います。当時は、「励ましや突然の連絡もいらない。急に会いたいとか言わないで。とにかくそっとしておいて」というのが本音だったのでした。

心の支えになったのは、やはり主人の言葉です。「万一子供ができなくなっても気にするな、二人で一緒に生きていこう」と言ってくれて、どれほど心が軽くなったことか。

 

そうして毎日涙を流すうちに少しずつ冷静さを取り戻し、ほどなく私は入院・手術を迎えます。

 

~次回、「子宮頸がん手術編」に続く…

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著者:ルルちゃん
子どもの年齢:2歳

30歳目前にて結婚、ベビ待ち中に癌判明。 様々な障壁を乗り越え、35歳でようやく待望の出産。 その後も子供の手術などを経るが、 現在は元気な子供と夫との生活に奔走中の37歳。

 

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