私は三姉妹です(プラス、双子の弟もいて実際は4人姉弟です)。
我々三姉妹は「妊娠・出産の傾向は遺伝するのか」と思っていました。
まず「遺伝の大元」である母の話をしなければなりません。
うちの母は「つわりはすごく重くて」そのかわりに「スーパー安産」ということなのです。
そして、安産どろこか自称「陣痛がない」らしいのです。
は? 陣痛がない?
これ、何度聞いてもイマイチ理解できないんですが、本当に「痛くない」らしいんです。
じゃあどうやって「そろそろ産まれる」ってわかるのかというと
「お腹がシクシクしてくるから、わかる」
というのです。実際、病院に初産のときに
「産まれると思うんですけど」
と病院に行ったら母の涼しい顔をみた看護師が
「いやいや、まだ産まれませんよ」
と言って帰そうとしたらしいのですが
「いや、絶対産まれます」
と言い張り
「それじゃあ看てみましょう」
と診察すると
「あら? 本当に産まれるわ!!」
となり、お産になった…ということでした。
お腹がシクシクと赤ちゃんを押しだそうとするのはわかるらしいのですが、それが「痛くない」ということらしいのです。
(ちなみに、出産のその瞬間はそれなりに痛いらしいです)
それで、うちの母はそれが長年「普通」だと思っていたらしく、ドラマの出産シーンとかをみても「演技がオーバーねえ」と思っていたらしいのです。
この、安産伝説を聞いていて、我々三姉妹は
「これは遺伝するのだろうか。したらいいな」
と常々思っていたのです。
が、結果からいうと、誰もそんな出産にはなりませんでした。
まず、長姉が出産をしました。
12時間の陣痛の後、自然分娩で出産しました。
陣痛は………普通に、めっちゃ痛かったそうです。
そして、陣痛が来る度に痛みで手が震えていたそうです。そしてそれを見ていた、出産につきそった母は…
「陣痛って、本当に痛いのね」
と言ったとのこと…。
自分以外の人の陣痛は本当に痛くて、どうやら自分が特殊らしいと、姉の出産に立ち会ってわかったようです。
ちなみに、この話を自分が妊娠中に知人に電車の中で
「うちのお母さんさ〜陣痛がないらしいんだよね〜」
という感じで話していたのでですが、姉の出産でやっと「陣痛は痛い」と気が付いた話の下りまで来たところで、隣に座って話を聞いていたおばさんに
「そんな人! 聞いたことないわよ!!」
ってツッコミを入れられました。
驚異のスーパー安産母…。
そして、次姉の出産。
こちらは姉の第二子の出産と時期がかぶってしまい、私が付き添いに行きました。
計画出産だったのですが、促進剤を入れても陣痛がこなくて、陣痛が来ないまま破水してしまい、帝王切開に切り替えての出産となりました。
あれ…? もしかして、今のご時世だと「陣痛が来ない」とこうなるの?
と思ったのですが、次姉は「うまれる!」とわからなかったので、違うのかもしれません。
そして私もめちゃめちゃ陣痛が痛くて遺伝に期待したことを激しく後悔することになるのでした…。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:水谷さるころ
年齢:40歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
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