さて前回からの続きです。
入院して24時間…お産がすすまず陣痛促進剤を入れたら、胎児の心拍が低下し、緊急帝王切開になってしまいました。
「あ〜、切るのか〜」
と思う私はなんだか事態がよく飲み込めていなかったのですが、とにかく、周りのみなさんが大慌て。
特に慌てていたのは研修医2名、新米ナース1名…。
新米ナース、私につけた酸素マスクが壁の機械から出ていたのを
「酸素ボンベに切り替えます!」
といいつつわたわた。
ベッドはそのままキャスターのロックを外されてガラガラ〜〜と、陣痛室から移動になります。
「あの〜すみません、布団かなにか、
かけてもらえませんか…」
そう、みんな慌てすぎて、わたくし、部長が赤子の頭を手で胎内に押し戻したときのまま…。ご開帳状態でした。
「す、すみません〜〜〜!」と陣痛室を出る前に布団をかけてもらえました。
直後に点滴スタンドが高すぎたらしく、ドアのところにガッシャーン!
とひっかかり「すみません! 低くします!!」とまた一騒動。
周りが慌て過ぎるとなぜかどんどん冷静になっていくもので、とってもヤバそうなんだけど…自分がなにか努力してどうにかできるわけでないし…。
産科は4階で、これから手術室に移動です。
エレベーターに乗り込みました。新米ナースがボタンを押します。
「手術室は3階よ〜〜〜!!!」
とベテランナース。新米ナースは2階を押していました。
「エレベーター、乗り換えますか?」と新米ナース、半泣き。
「もういいわよ、乗り換えるより下まで行って戻ってきましょう」
ということになり、先生達は先に降りて階段で移動し、看護師さんと私はエレベーターは地下2階まで行き、そしてまた上がってきました。
ちなみにエレベーターは全フロアに止まってました。
うーん、こんなことってあるのかしら。マンガかな?
どんどん冷静になる私。
「大丈夫ですよ! 心拍数は戻ってきてますからね!」
とベテランナースに声をかけられて、よかった…と思いつつ
「手でお腹の中に戻すの、効くんだな…!!!」
と内心ビックリ。出産はアメージング…。
そしてやっと手術室に到着です。
ガラガラがラーーっと運ばれて、自動ドアがいくつか開いて、赤い「手術室」ってランプが見えて、そしてあの手術室の照明が見えて……
「うわ〜〜! ドラマみたい…!」とか思う私。
そして、中にはこれまた大量の人達が待機していました。一緒にいた担当医、研修医、それ以外に執刀する先生はまた別、麻酔医、看護師…。
すごいたくさん人がいる!
すでに下はなにも履いていませんでしたが、上は病院から支給されていたパジャマのような、手術着のようなものを着ていました。
それをおもむろにそれをがばっと脱がされます。
「えっ? この人数の中で、わたし裸になるのおっ?!」
と、慌てましたが…まあ、そんなの気にしてる場合じゃないんですよね。
しかもそんな中、1人が脱がしきるまえに、別の人が腕で血圧を測り始めちゃったりして、脱げなくなったりして…。
新米ナース以外も、みんな! 慌てすぎだよ!!!!
と、思いました。
麻酔を脊椎に打たれ…それはかなり痛かったです。
はだか〜?! と気にしていたのもつかの間。
全ての準備が揃うと、あっという間にタオルや、いろんなもので私の体は包まれていきました。あ、そうか、真っ裸のまま手術するわけじゃないよね。
と一安心。
今回は陣痛室から手術室に異動したけで、終わってしまいました。
続きます。次、やっと産まれます!
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:水谷さるころ
年齢:40歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
【新刊情報】結婚をして離婚。そして再婚に事実婚を選んだ、26歳から36歳までの体験を描いたエッセイコミック「結婚さえできればいいと思っていたけど」(幻冬舎)
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