私はもともとアニメ好きで、子どもが生まれたら、一緒にあれもこれも見たいなぁ、と思っていました。
しかしママ目線で見ると、あのアニメもこのアニメも、あれ?あれれ?となり。
「ぶっとばすぞ」「バカめ」「〇〇のくせに」「う◯こ」「ち◯こ」「おしりプリプリ~」、うん、テレビのスイッチ、オフ。もしくは安定のEテレにチェンジ。
言葉を覚える大事な時期に、そんな言葉を覚えてほしくない、真似してほしくない、だから、見せなくない。と思ったのでした。
そうしていわゆる「子どもに見せたくないアニメ」と言われているものを避けて生活しておりましたが。
忘れもしない、息子が5歳年中さんの頃。突然、ズボンとパンツを下げ、むき出しのお尻を振り、「おしりプゥ~リプリマ~~~ン」と言いながら私に迫ってきまして。
最高級に面白いだろ?という顔をしている息子。無反応の私。あれ?わかってない?と思ったのか、何度も何度も振られる尻、ループする「おしりプゥ~リプリマ~~~ン」。
私もこうなってみるまで、こういうのって、どこかで親が見せているんだと思ってました。
ごめんなさい、違いました。奴ら勝手に習得してきます。
下の娘なんて、3歳頃からお友達と口喧嘩してきて、「ぶっとばすぞ」「バーカ」なんて言うようになって。
目の前の現実に、こんな子どもがいると、アニメの中のし◯ちゃんやジャ◯アンなんて可愛く思えます。フィクションだし。
っていうか、親である私がそういう言葉を使っているからこの子も使うんだ、と周りから思われていると思うと、ちょっと待って!!使ってませんから!!!と叫びたくなります。
周りのママさんと話をすると、みな「ほんとどこで覚えてくるの!?」と言うので、きっともう幼児の中では脈々と受けつがれてきた老舗鰻屋のタレみたいになってるんでしょう。
しかし親としてはほっとくわけにもいかず、どうしたものかと、懇談会などで先生方に相談させていただくこと数回。
そこで教わったこと。
・「言葉」「行為」の一時的なブームというのはどうしてもある(悪い、良いに限らず)。
新しいことを知った時、それを繰り返すことは学習能力として問題ないこと。意味もわからずに言っていることも多く、ブームはいつか必ず去る。
できること→意味を教える。「お尻はしまっておいてほしいな」「その言葉は怖いよ」など
・「すごく悪い言葉」が「ぴったりフィット」してしまう時もある(子どもの性格によって、言葉との相性がある)。
例えばお友達に腹が立った時に、感情を表現する言葉が他に出てこなくて「ぶっとばすぞ」と言ってしまうことがある。本人からしたらその言葉がまさに自分の感情を表現する言葉だ!と思うので、多用するようになる。口癖になってしまうことも。
できること→他の表現を教える。「そういうの嫌だ」「やめて」など
ーーー確かに!子どもは意味も相手がどう思うかも、よくわかってないで使ってるのかも。
そこを理解した上で、親として私にできること。
・「ママはこう思う」という「I(アイ)メッセージ」を伝える
「そんな言葉を使うんじゃない!」と頭ごなしに叱るのではなく。
「ママはお尻出されてもあんまり面白くないな」「それ言われると悲しいな」「ママはそれ嫌だな」など、冷静に伝える。
「その言葉」「その行為」をピンポイントで指摘するように。
確かに、このやり方なら、私にもできるし、子どももわかってくれそう!
と、少しずつ実践しております。
ま、「バカ!」って言ってるのを聞くと「バカっていうのがバカじゃ!!」って言い切りたくなってしまいますけどね、そこは抑えつつ、「それは相手をけなす言葉だよ、よくないよ」なんて、言葉を選んで。
そうなってくると、おもしろいことになったのですが、それまで「見せたくないアニメ」だったものが、私がどう思うか伝えられる絶好の機会をくれる、「一緒に見たいアニメ」になっていました。
「この言い方はよくないよね」「ママはこれ恥ずかしいわ~」「おっ!コレいいね!」なんて、時々キャラクターを褒めたりもして。
私自身の、声かけの練習にもなってます。
そして、子どもたちも、目の前の現実にいる「言い方がキツイお友達」に、「そういうこと言うの、よくないよ」と話しているらしいことを、先生から聞いたりして。
私、ちゃんと見せられてるのかな、と、ほんの少しだけ胸をなでおろしております。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:うだひろえ
年齢:40代
子どもの年齢:小2と年長
website:http://umeyon.net
最新刊:「大学4年間の経営学がマンガでざっと学べる」(マン
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
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