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【小児科医監修】「乳糖不耐症」って何?胃腸炎になってから下痢が止まらない原因?どんな病気か詳しく解説!

3歳9カ月のうーちゃん(女子)と、9カ月のおーくん(男子)の2人を育てるうーちゃんママさんは、おーくんが4カ月の時に、うーちゃん→おーくんと家族が順番に胃腸炎になるという経験をしました。

 

全員の症状がよくなるまでトータルで2週間かかったそう。やっと全員よくなった!と思いきや、なぜかおーくんの下痢症状だけがずっと続いていたそう…。ただそれ以外は元気だったので、様子をみていたそうですが、何気なくショッピングセンターで体重測定をしたところ1カ月間まったく体重が増えていないことが判明!

病院を受診したところ乳糖不耐症の可能性が高いと言われたそうです。

 

 

乳糖不耐症とは、いったいどんな病気なのでしょうか。原因や主な症状、なってしまった場合の対策などを、小児科医として多くの親子に寄り添った診療をされているクローバーこどもクリニック院長の眞々田容子先生に聞いてみました。

 

Q:乳糖不耐症とはどんな病気でしょうか。

A:乳糖が分解できずにおなかがゆるくなってしまう病気です。

通常、乳糖を含む食べ物や飲み物をとると、乳糖分解酵素(ラクターゼ)によってグルコースとガラクトースという物質に分解されて、腸から吸収されます。

ところが、胃腸炎などにかかると一時的に乳糖分解酵素が減ってしまい、乳糖を分解できなくなります。そのため乳糖を含んだものを食べたり、飲んだりすると腸から吸収できず下痢を引き起こしてしまいます。これを乳糖不耐症といいます。

細かくいうと生まれつき乳糖を分解する酵素が少なく、よく下痢をくり返す子どももいます。

一方でおーくんのように胃腸炎などにかかると、胃の粘膜が弱り、乳糖を分解する酵素が一時減り、乳糖を分解できなくなることがあります。これを二次性乳糖不耐症といいます。

 

Q:おーくんはおっぱいを飲んだ直後に下痢をしていましたが、母乳には乳糖が含まれているのでしょうか。母乳以外でも下痢をする可能性はありますか。

A:母乳には乳糖が含まれています。その他、授乳用ミルクや乳製品にも基本的に乳糖は含まれています。

母乳には乳糖が含まれているので、分解する酵素が少なくなっている時は、飲むと下痢になります。また授乳用ミルクやヨーグルト、チーズなど乳製品には基本的に含まれていると考えてください。

ちなみに、日本人はもともと乳糖を分解する酵素が少ない傾向にあります。たまに「ヨーグルトや牛乳など乳製品を食べるとおなかがゆるくなる」という人がいると思いますが、酵素が生まれつき少ないためだと考えられています。

 

 

 Q:乳糖不耐症はうつったりしますか。また診断を確定させるために検査をしますか。

A:人にはうつりません。乳糖不耐症かどうかの検査は、通常、行いません。

乳糖不耐症は、人にうつすことはありません。

乳糖不耐症かを調べる検査は、通常、行いません。おーくんのように胃腸炎にかかり、1週間程度でおおよその症状はよくなったものの、下痢だけ続く、おなかがはる、特定のもの(乳糖の入ったもの)をとると下痢をくり返すという状態から考えると、「二次性乳糖不耐症の可能性が高い」と推測されます。

 

Q:乳糖不耐症の可能性が高いとわかった場合、どのような対策、治療をしますか。

A:乳糖の入っていないものを摂取するようにします。

母乳や普通の粉ミルクには乳糖が含まれているので、飲ませるのはやめて乳糖の入っていない粉ミルクに切り替えましょう。乳糖の入っていない粉ミルクは、大きなドラッグストアやベビー用品専門店などで販売されています。

また、母乳を飲ませる30分ほど前に、乳糖を分解する薬を飲ませるという方法もあります。乳糖を分解する薬は、医療機関を受診し、処方してもらってください。

 

 

Q:ならないようにするための予防法がありましたらお教えください。

A:残念ながら効果的な予防法はありません。

乳糖不耐症を予防する方法は、今のところありません。ただなったとしても大きなトラブルや病気を引き起こす可能性は少ないので、そんなに心配することはありません。

おーくんのように胃腸炎になった後、1週間経っても下痢が続いている、また、おなかの調子があまりよくなく、体重が思うように増えていない場合は、かかりつけ医を受診してみてくださいね。

 

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 眞々田容子先生(クローバーこどもクリニック 院長)

小児科医。2001年、信州大学医学部卒業後、同大学付属病院小児科、市立甲府病院、帝京大学医学部附属溝口病院小児科、賛育会病院小児科・新生児科医長を経て2015年にクローバーこどもクリニック院長に就任。ママドクターとして、子どもの健康はもちろん、ママの育児の悩みにも寄り添い、アドバイスや相談にも乗ってくれる。

 

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