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「立ち会い不要」と何度も何度も伝えたのに。バースプランを無視して分娩室に来た母

高齢出産、かつ、初産でした。

年齢的なこともあり、周りには出産経験者が多く、立会い出産についての話もよく聞いていました。

 

多くの経験談を聞いた上で「自分は立会い出産はしたくないな」と思っていたため、出産時期が近づくに連れて夫や実家の母には「立会い出産の意思はない」ことをことある事に伝えていました。

実母も「そうだね、出産シーンは家族に見せるものでは無いよね」と話しており、私の意志に賛同してくれているものと思っていました。

 

ところが、出産間近になったころから母が急に「手ぐらい握れるから立ち会おうか」と何度も言ってくるようになり、その度に「必要ないから」と断り続けていました。

それでも母からは「立ち会ってもいいよ」と繰り返し言われるため、少しきつめに「絶対に立ち会わないでほしい」と伝えました。

 

また、産院から記入するように渡されたバースプランにも「立会いは一切必要なし」と記入し、そのことも母に話してありました。

そのときも母から「当日気が変わるかもしれないから、状況によっては家族の立会いも希望ぐらいは書いておけば?」と言われたので、「いや、どんな状況でも必要ないものは必要ない」と伝えており、その後からは立会いについて何も言わなくなったので私の気持ちに納得してくれているものと思っていました。

また、母から「立会いはしないにしても、付き添いはしてもいいか」と聞かれた際も「夫とふたりで出産を乗り越えたいから、付き添いも我慢してほしい」と伝えていました。

 

母の心配も理解できたのですが、私自身が妊娠してから母の言葉ひとつひとつに苛立ちを覚えることが多く、出産の時も平常心を保てないだろうと予想できていたので(このことは母には言っていません)、母には「夫とふたりで出産を乗り越えたいから」という理由で付き添いも遠慮してもらうことになっていました。

 

そして当日。

促進剤を使用した誘発分娩で、夫も休みだったため、夫の付き添いで出産を迎えることになりました。

ところが、誘発した陣痛が9時間を越えた頃に、突然母が付き添いにやってきました。

ただ、私はあまりの陣痛の辛さにまともに話すこともできず、なぜ母が来たのかもわからないまま、必死に陣痛を逃し続けていました。

子宮口が全開になり、いよいよ分娩室に入ることになった時には、私の意識も朦朧としながら助産師さんに支えられて分娩室へ移動する状況でした。

 

分娩室に入ってからもお産がなかなか進まず、必死でいきんでいたときに誰かが私の額の汗を拭いていることに気が付き、少し鬱陶しいなと思いながらその顔を見たときは、本当に驚きました。

なんと、母がいるではありませんか。

あれほど断ったのに、母は私の意志を知っていながら自分の気持ちを優先して分娩室に入ってきたのだと直感でわかりました。

 

バースプランに「立会い不要」とはっきりと記入したにも関わらず、なぜ母が陣痛室にいるのか、誰が陣痛室に入れたのか、夫はどこにいるのか、いきみながらもかなり苛立っていました。

 

その苛立ちのせいでお産が更になかなか進まず、やっとの思いで出産したときも、私のとなりで母が泣いているせいで苛立ちが収まらず、わが子を初めて見た時も何の感動も、喜びの気持ちすら湧いてきませんでした。

 

出産後、夫に状況を確認したところ、陣痛室に突然母が現れたそうです。

分娩室に入ることになったときに、助産師から「さぁいっしょに入りましょう」と言われ、夫は私との約束があったので立会いを断り、母は「娘との話で立ち会ってもいいことになっていて、さっき娘に入っていいか聞いたら入ってもいいと許可をもらった」という主旨のことを言ったそうです。

夫としては「そうなのか、自分が席を外していたときにそんなやりとりがあったんだな」と理解して、母が分娩室に入ることは特に止めなかったと聞きました。

 

どうやら私の意識が朦朧として正常な判断ができないときに、分娩室に入っていいかを私に確認したらしく、私がわけも分からずうなずいたことを、立会い許可と判断したようです。

 

夫から「それでもお母さんはあなたのことが心配で仕方なかったんだから、何も言わないほうがいい」と窘められたため、母には何も言わないことにしましたが、産後4ヶ月経った今でも、分娩のことを思い出すたびに嫌な気持ちになります。

人生にそう何度もあるかわからない、もしかしたら最初で最後かもしれない出産が嫌な思い出にしかならなくなってしまいました。

母が嬉々として私の出産時の話をする度に、わが子が産まれた瞬間を全く喜べなかったこと、あの時の苛立ちを思い出してしまいます。

 

産後は1ヶ月ほど実家に里帰りし、母には本当にお世話になり感謝してもしきれません。

体力面でも精神面でも本当に支えてもらいました。

ですが、分娩のときの立会いのことだけはどうしても許すことができないのです。

 

出産を経験して親になったのに、自分の親の気持ちがわからないのか、親不孝者、と感じる方もいるかもしれません。

そういったこともすべて承知の上で、どうしても、感情が母を許せないのです。

 

これを読まれている方は、ご自分のバースプランを大切に大切になさってください。

出産前にご家族としっかりと話し合って、付き添う人が複数になるときは、それぞれに自分の意志をどう伝えてあるのかをしっかりと話したほうがいいと思います。

産院にも、立会いについてしっかりと伝えておいたほうがいいです。

 

分娩は非常にデリケートな場です。

そして、自分の分娩は自分だけの大切な大切なものです。

誰かの意志を尊重するのではなく、自分自身の意思を尊重してください。

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著者:ぶーこ

41歳、高齢出産の妊娠糖尿病でした。

4ヶ月の娘と格闘中。

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