家事育児に追われる日々は、自分の「感情」との戦いの日々、でもあります。
以前の記事で、「イライラ感情の見える化」をするようになったこと、書きました。
これによって、イライラした時、感情が爆発する前に、冷静になれることが増えました。 また、他にも、「怒鳴るくらいなら無言を決め込む」ということもやっています。
怒りの感情がぐわっ!となって、大声となって出てしまいそうな時に、グッとこらえることができれば、怒鳴る必要はない、とわかり、できる限りやるようになりました。
しかし。
それらを頭でわかっていても。
「これ片付けてね」
「これ片付けて、お願いね」
「これ片付けてってお願いしてるんだけど、聞いてる?」
「ねえ、片付けてってば」
「ちょっと!かーたーづーけーてーーー!!!」
言葉を選んで、こらえるたびに、ドカドカと積もっていく、イライラ。
「コラァァァ!!片付けろって言ってんだろーーー!!!」
びくっ!
目を見開いて、びっくりした顔をする子どもたち。
(あ……)
その表情が、スローモーション、ゆっくり、ゆっくり、くしゃくしゃになる。
(しまった……)
「うわあああああん!!」目から大粒の涙が流れる。
(やってしまった……)
思っても遅い。引っ込みもつかない。
「ったく!何回言っても片付けないからでしょ!!」
大きくなる泣き声。グサグサと刺さってくる。
けど、子どもたちが「ごめんなさい」と言うまで、気が収まらない……。
私、なんでこんな風になっちゃうんだろうーーー。
子どもたちの寝顔を見ながら、反省する。
イライラし始めたらやること、カッとなった時に黙ること、は、できるようになってきた。 けど、ハッと気付いた時に、もう怒ってしまっていたら……?
「何かできることはないのかな……」
もしあるなら、見つけたくて、私は、怒っている時の自分を絵に描いてみました。
大きな声。
キツイ言葉。
威圧的な態度。
「鬼母だ……」
我ながらそう思いました。
そりゃ、びっくりして、子どもたち泣くわ、と。
怖くて、とりあえず「ごめんなさーい!」と言うわ。
でも、私は、子どもたちを怖がらせたくて、怒っているわけじゃなくて。片付けができるようになってほしくて、何度も言って、それが伝わらなくて、イライラして。
「それで怒って、伝わらないんじゃ、意味ないよね……」
かといって、鬼母が、いきなり「いつも笑顔のお母さん」に、なれるわけがない。 問題は、子どもが「怖がる」ほど、怒ってしまうこと。
ならば……。
後日。 今日も今日とて、イライラがドッカーン。
「いいかげんにしろーーー!!!」
怒鳴ってしまってから。
ハッとする、またやってしまった……。けど、まだ間に合う!
大きな声、キツイ言葉、仁王立ち。
1つ、やめてみる。
仁王立ちをやめて、しゃがみこんで、子どもたちと目線を合わせてみる。
「コラッ!いいかげんにしろっ!」
「だって、だって~~~~」
子どもたち、いきなり泣き始めることはなく、何かを言いたそうにしている。
「なに?言ってみな」
言葉はまだキツイ、けど、顔が真正面にあるし、こちらの言葉をちゃんと聞いてることがわかるから、怒鳴ることはしなくなる。
「きょうりゅうつくってたの!」
「おえかきしてたの!」
ママの言葉を後回しにした理由を教えてくれる。
「そっか」
カチカチに固まっていたイライラの山が、溶けていくのを感じる。
「それは忙しかったね。じゃあ、ひと段落したら、お片づけできる?」
まん丸の目が、私の目をじっと見てくる。「うん!」
伝わった。なんだ、けっこう簡単なことなんじゃん。
思ったら、なんだかニヤけてしまって、そんな私を見て、子どもたちもフフッと笑って。
いきなり完璧な「笑顔のお母さん」になるのは、私には無理だから。 1つずつ、少しずつ、できそうなことからやっていこう!と思った次第です。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
次回エピソード>>知りたいのは「WHY?」の先の答えじゃない。「子育ての理想」に近づくためのキーワード by うだひろえ
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:5歳と3歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。5歳男児&3歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
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