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しゃべる前から文字が読める!天才だと思っていた息子は発達障害 by なないお

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息子が生まれたのは娘がちょうど2歳になった頃、ちょっとあやしただけでゲラゲラ笑う赤ちゃんでした。

動きはじめてからも娘のように高いところに上ったり派手に暴れることはなく、座って食事もできるとても手のかからない子でした。

娘に大変手がかかったのであまり息子のほうに手をかけてやれず、そして息子のほうも自分からかまって欲しいと全くやってこない子だったのです。

遊んで攻撃はゼロ。見て見て攻撃もナシ。

イヤイヤ期すらもみあたらない(娘は万年イヤイヤ期)

外に出れば親を見失わないようについてくる(娘では考えられなかった)

ダメと言われたことはしない(娘ではありえない)

びっくりするほど育てやすい(親にとって都合のいい)子でした。

 

息子の気になっていた点

手のかからない(我が家比)子だったのですが、気になることはいくつかありました。

「言葉が少し遅かった」

1歳半検診の段階では単語が10個ほど出ているのが目安になっていると思いますが、息子はこの時点で「はい」と「ぱい」の2つしか言葉がありませんでした。その後少しずつしゃべるようになるのですが、発音がうまく出来ずなかなか通じないのです。

「同じ年頃の子と遊ばない」

公園などで同じ年頃の子供がいっしょにあそぼうと寄ってきても、まるでなにも見えなかったように無視をしていました。気付かなかったふりをして逃げてしまうのです。

「一日1時間以上のかんしゃくタイム」

普段は手がかからないのですが、一日に一度ぎゃんぎゃん泣いてどうにもおさまらない時間がありました。その間はだっこをしても海老反りになって拒否、触っても更に火が付くとなにも受け付けなくなり、ただ近くで黙って見守っていることしかできません。毎日のことで特に泣く理由もわかりませんでした。

気が付けばおなかに青いあざがたくさん出来ていました。びっくりしてお医者さんでみてもらったところ、泣くのに力を入れすぎて毛細血管が切れてしまっていると言われました。

血管がほんとうに切れるほど泣く・・今から思えば相当なパニックの中にいたのだろうと思います。4歳ごろまで1時間のギャン泣きは続いていました。

 

1歳で文字が読める!

息子が2歳になる前のことでした。

娘にそろそろ文字を教えようと知育のDVDを見せたり、ひらがなや数字のカードを作っていました。

そのカードを使って私が言った文字のカードをとってくるかるたのような遊びをよくやっていたのですが、あるとき、息子も文字カードを持ってくるのです。

まさか?よめるの?!

そのころの息子はまだ単語が10個ほどしかしゃべれません。会話は出来ませんがこちらの言うことはよく理解しているようでした。

試しにいろんな文字カルタをやってみたところ、ひらがなと数字は全部、カタカナは半分ほど読めていることが確認できました。

娘に見せていたDVDで知らぬ間に文字を覚えていたようです。

(もしかしてこの子は天才なんじゃ・・・)

親の欲目がむくむくと顔を出してきてしまいました。

後々、発達障害であると診断がついてから調べてみたところ、息子が文字を読むのが異様に早かったのは「ハイパーレクシア(過読症)」と呼ばれるものでした。

発達障害児の一部にも(そうでない場合もある)見られるもので、文字に強いこだわりを見せるそうです。

 

天才児だと思っていたので発達障害に全く気付かなかった

娘の多動は疑っていて何度も相談に行っていたのですが、ものすごく手のかかる娘、全く手のかからない息子のふたり、息子の発達に問題があるとはぜんぜん思っていませんでした。

言葉が遅い→男の子は遅いっていうしそんなもんじゃない?

子供に関心をもたない→人見知りの激しい子もいるしね。

かんしゃくが激しい→昔からかんしゃく止めも売ってることだしそういう子もいるよね。

言葉以外の座ったり歩いたりは育児書どおりだった上に、娘とは違って指示が通るのです。こんな育てやすい子もいるんだ~って感動したものでした。

 

娘が4歳、息子が2歳のころ、ようやく地域の巡回で回ってきてくださった保健師さんに子供の様子をいろいろ話し、娘を育てるのにとても困っている、多動児ではないかと思ったけども今まで相談に行って違うといわれたことなどを話しました。すぐに娘に発達の専門のお医者さんを紹介してくださることになりました。

そのときに保健師さんが「下のお子さんも一緒に受診してくださいね。」

え?この子も? いや、特にこの子は問題ないと思うんですが・・・。

まあちょっと気になることもあるしついでだから。

気軽な気持ちで息子も一緒に受診をしてみたところ

「広汎性発達障害の疑いがありますね。療育をしましょう。」

※現在の診断基準では自閉症スペクトラムという診断名になっています。

娘の診断が言い渡された1ヵ月後に息子にも診断がつきました。

(当時まだ息子が2歳だったために確定診断ではなかったのですが後に確定します。娘は最初から確定していました。)

発達障害など微塵も疑っていなかった息子にそう言い渡されたのは本当にびっくりしました。

でも、その頃は娘の診断のショックからもすっかり立ち直っていました。この子に合ったやり方を探すまで、どんとこいという気持ちで受け止めることができました。

 

息子は現在9歳。もうすぐ小学4年生になります。 その後も数字にこだわり続けたので、今では数学と科学が大好きな少年に育っています。

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著者:なないお
年齢:49歳
子どもの年齢:娘11歳、息子9歳

発達障害を持つ子供たち二人を育てるシングルマザー。乳がんを患い治療中。頭の中をTwitterに垂れ流しながら復活の呪文をとなえています。

娘:明るくスパイシーなアクセル全開系女子。ADHD(注意欠陥多動性障害)、アスペルガー症候群。

息子:おだやかで刺激に弱いダジャレ数学少年。自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)

ブログ【うちの子流~発達障害と生きる】URL:http://nanaio.hatenablog.com/

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