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50%の命の選択に、私と夫の答えは…。尿漏れだと思ったら部位破水、22週で救急搬送に

6ヶ月検診の時は何事もなく、順調に育っていたお腹の中の子。

その検診の後日、恥ずかしい話ですが尿漏れが始まりました。

妊娠中によくあると聞いたことがあったので何も気にせず放置した3日後、トイレに行くと少し出血していました。

念のため産婦人科に連絡すると、すぐに来て欲しいと言われ、母に送ってもらい病院へ。

病院に着くと看護婦さんが車椅子を持って来たので、大したことないと拒否したのですが、「念のため座っていて下さい」と言われて車椅子で診察室まで運ばれました。

 

内診中、

「◯◯さん!もうお産始まってるよ!絶対お腹に力入れたり立ったりしたらダメですよ!うちでは対応できないので医大に搬送します!」

と先生が大慌て。

母と一緒に話を聞くと、3日前の尿漏れは部位破水という、袋が少し破けて羊水が出てきている状態でした。

すぐに救急車で医大に運ばれ、張り止めの点滴とステロイドの注射をされました。

旦那も旦那の親も駆けつけてくれて、みんなで先生からの話を聞きました。

妊娠22週0日目。この時の状態は子宮口が5cmほど開いている。いつ産まれてもおかしくない。

そして、お腹の子は生きるか死ぬか半々の状態でした。

お腹の中で死ぬかもしれない。無事産まれても死んでしまう可能性が高い。生き抜いても、健康に生きる可能性は本当に僅かでした。

 

 先生から選択を迫られました。

産みます。私はすぐに言いました。

旦那もすぐお願いしますと言ってくれました。

この子が辛い思いをするかもしれないけど、腕に抱くこともなく失ってしまうのはもっと嫌でした。

どんなことがあっても大切に育てようと決心しました。

 

それから寝たきりの状態が1週間続きました。

めったに起こらないというステロイドの副作用が起きて腕に強烈な痛みがあったり、医大のコットが埋まってしまい、県外の病院に運ばれたり、摘便中に子宮が飛び出してきたり(無事引っ込みました)と、色々な事があり、何度も分娩室を行ったり来たりとしてるうち、ついに陣痛がきました。

この時23週0日です。

緊急帝王切開で産まれた子は、604gの両手で包めるほどのとても小さな男の子でした。

先生の話では、産まれたとき大きな口を開けて泣いてくれたそうです。

しかし、肺が破けてしまう恐れがあるため、すぐに呼吸器を入れられ、熱を保つため身体をラップでくるまれた状態で私は手術中我が子に会いました。

 

手術を終えた次の日、私は車椅子で連れられてNICUに行き、コットの中にいる赤ちゃんに会いに行きました。

赤ちゃんは身体中チューブだらけでとても痛々しい姿でした。

黄疸の治療中で顔は見られないけど、看護婦さんに触ってあげてくださいと言われ、恐る恐るコットの中に手を入れ、赤ちゃんの手に触れました。

赤ちゃんの手は本当に小さくて、私の小指第一間接の半分ほどの小ささでしたが、手をにぎってくれました。一生懸命生きてるんだと痛感しました。涙も止まりませんでした。

 

未熟児は産後3日間がとても重要で、その3日の間に脳出血を起こしやすく亡くなってしまう確率がとても高いそうです。

その3日も無事過ぎ、私の術後の身体も徐々に良くなっていて、とても順調でした。

 

しかし、私の退院は延期になりました。炎症を起こし膿がたまっていたのです。

その処置はかなり痛いもので、閉じかけていたお腹を切られ棒を突っ込んで穴を空け、膿を押し出すという処置でした。麻酔等は使いません。それが1日2回、5日ほど続きました。

痛いには変わりないですが、後半はかなり慣れて笑いながら行っていました。

 

私は無事退院し、入院中の息子に毎日会いに行きました。

息子の入院は5ヶ月ほど続き、その間気胸や、動脈管開存症の手術、網膜症など様々な病気になりましたが、全て完治し無事退院しました。

先日1歳を迎え、生命力に溢れる息子の姿に日々感動しています。

発達はとてもゆっくりですが、しっかり成長しています。今は何事もなく育ってくれていますが、この先何が起こるか分からない、後に障害が判明するかも分からない不安はありますが、この子の可愛らしい笑顔に勇気付けられます。

本当に無事生まれ、苦しいことにも乗り越え、育ってくれたことに感謝します。ありがとう。

 

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著者:HI4RIN

21歳主婦です。1歳の息子がおります。我が子が可愛すぎてどうしような日々を過ごしております…。

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