陣痛から出産を改めて思い返してみると、想像以上に「痛」の一文字。
特に陣痛室で子宮口が全開になるまで待機している時間は地獄そのもの。まともに話せなかったので「ア゛ア゛…」と唸りながら「なんでこんなに痛いの?痛いと出産する人が減って人類は減る一方じゃない?」と人類の行く末を案じていました。
まともに話せも動けもしなかったし、変な体勢をとっていたので、ペットボトルに付けられる蓋つきストローは神アイテムでした。
あと、ほとんど口呼吸だったせいで唇が乾いたのでリップクリームを持っていってよかったです。
その後、分娩台で仰向けになると「今から産むんだ」と覚悟ができて落ち着き、痛みも気にならなくなり、助産師さんに言われるままに呼吸をしたりいきんだりしていると、
あっという間に娘爆誕!
娘を初めて抱いたときは、温かくてやわらかくて眩しくて、体の底から力が湧いてきて、死ぬほど痛い思いをしたのに「もう一人産める!」と思いました。
ところが、病室へ戻ってベッドで横になると電池が切れたように力が抜けて起き上がれない状態に。少しでも回復しようと目を閉じたものの、頭の中に言葉がどんどんあふれてきて眠れませんでした。
「長かった妊娠のゴール! 終わった!」と喜びと達成感で満たされたり、
「私は娘を産むために今まで生きてきたのかもしれない」と感慨深く思ったり、
「私がお母さんで大丈夫?」と不安になったり、
「ご先祖様、八百万の神様、娘を見守ってください」と祈ったり。
なお、「すっぴんでいいか」と思って化粧品を持っていかなかったんですが、写真を撮られまくって後悔しました。今でもアルバムを見るたび、干物のような自分の姿にびっくりします。
>>>次回のエピソード:V系バンド「IYAIYAKI」の絶叫ワンマンライブと思え!深夜のイヤイヤを乗り切る方法
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
むすメモ! 妊娠中~2歳(メタモル出版)/つかさちずる(著)
ブログやTwitter、WEBメディアでの連載も話題の著者が、自身のブログ『むすメモ! 』をもとに書き下ろしたコミックエッセイ。四コマ漫画をメインに、短編漫画、絵日記、エッセイも加え、涙あり笑いありの2年間。子どもの成長、面白さやかわいさはもちろん、そのときどきの親のほうの楽しさ、しんどさもリアルに伝わってくる一冊です。