妊娠38週の頃のことでした。その日は休日で、ベビーカーを実母と夫の3人で購入しに行く予定でした。
朝起きると夫の携帯電話が鳴りました。仕事の電話です。いやな予感はしましたが電話の話が終わるのを待ってから「仕事に行くの?」と聞くと、夫は「ごめん。今日行けなくなった。仕事先でトラブルがあった」と言いました。私の予感は的中しました。
夫の仕事は、休日出勤が多く、突然仕事が入ることも多々あったので、なんとなく察することはできました。しかし、その日はすでに妊娠38週目の終わりの日のことで、来週は入院が決まっている状態。私もたまらず夫に文句をいってしまいました。
すると「今日じゃないとだめなの? 生まれてからでも大丈夫でしょ?」と夫。これに「もういいよ!」と私が言うと、夫はすぐに着替えて出勤してしまいました。
私も仕方がないのは十分に分かってはいましたが、どうしてもその日に買いたい理由があったのです。それは、お腹の子の生後1ヶ月健診の時にベビーカーを使いたく、そのためには今日じゃないと一緒に買いに行ける日がなかったからです。
それまでの夫の仕事の忙しさに対する不満もあり、怒りのやりどころがなかった私は、夫が仕事に行った後に、自分の携帯を壁に向かって投げてしまいました。
携帯電話は壊れてしまいました。
うちは固定電話がなかったので、連絡がつかない状態です。でも仕事が終われば夫も帰ってくるし、なにかあったらマンションの管理室で電話を借りよう……。携帯電話を修理に出している間は、夫の2台ある携帯の1台を借りればいいか……と思い、そのままお昼寝をしてしまいました。
どのくらい寝てしまったのでしょう。
ふと気が付くと夫と実母がうちにいるではありませんか!
夫は電話をしても出ない私が実家に帰ったものだと勘違いし、仕事を急いで終わらせた帰りに実家に寄ったそうです。そして、私がいないことに驚き、心配した母を連れて帰宅したということでした。
私は夫が心配するなどとは思ってもいなかったのです。結局、そのあと予定通りにベビーカーを買いに行きました。
そして、携帯も故障手続きの翌日には新しいものが届きました。
家族のために仕事に行ったのに、散々な目にあった夫。
今思うと、夫には申し訳ないことをしたと思っています。夫のおかげで買い物もでき、そのおかげで息子の1ヶ月健診にベビーカーで行くことができました。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
妊娠時期別記事
著者:あつこ
年齢:40歳
子どもの年齢:1歳
39歳という高齢で男児を出産、1歳のひとり息子が愛おしくてたまらない日々です。そして、毎日のように体力の衰えを感じながらも子育てに奮闘中。今後の自身の体力・精神力が子供の成長にどうすればついていけるか、先の長い挑戦をし続けていくことになりそうです。
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