妊娠高血圧症候群とは、昔で言うところの「妊娠中毒症」というやつです。
妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は「妊娠高血圧症」、高血圧と蛋白尿を認める場合は「妊娠高血圧腎症」に分類されます。
重症化するとけいれん発作や脳出血(高血圧なので)、赤ちゃんの発育が悪くなったり酸素が行き届かなくなったり…ということが懸念されるので、入院治療が必要となります。
私の場合、最初は「妊娠高血圧症」でしたが、その内蛋白尿も出たので「妊娠高血圧腎症」という病名がつきました。
以前は太りすぎるとなりやすいなんて言われていましたが、正直なところ原因ははっきり分かっていないのだとか。
現に私は体重だけは適正範囲内でしたので…。
治療法はありません。「妊娠を終わらせることです」と何度も説明されました。
そして自覚症状もほとんどありません。視界がキラキラして見えるのは高血圧の症状らしいですが、そんなの知りませんもの!
私の普段の血圧は90/50くらいでむしろ低血圧気味。
入院になる直前の健診でも上は100前後でした。
なんの前触れもなく、予兆も無く、急に血圧が130まで上昇し、なんど測定しても140前後をキープしていたので、そのまま即入院となったのです…。
とはいえ、ほぼほぼ正産期に入っていた私は…
普通出産前に入院している人って大体安静を強いられているんですけどね。
私の場合は「とにかく早く産め」と毎日階段の上り下りとスクワットを指示されました。
同室の人たちはトイレすら気を遣っているのに、私はと言えば朝からアスリートのような生活…。明らかに異質な妊婦でした。
まあそんなこと言っても、こういう場合の説明って「重症化」する方がレアじゃないですか。
よくある「私は大丈夫だろう」と高をくくってふんふん説明を聞いてから出産したところ…。
出産すれば治ると聞いていたのに…!
私は「レア」なのか!
全然血圧が下がらなくて。蛋白尿も出まくりで。
こりゃあ退院は無理だということで、長女出産後も約20日間入院しました。
ほかの人はやらないような「沐浴実習」までさせてもらったりして。
看護師さんや助産師さんがいつも居てくれるのはありがたいけど、もう帰りたくて帰りたくて…。
あとから入ってきたママたちがどんどん退院していくのを毎日涙ながらに眺めていました。
やっと退院できることになったのは、入院時には着ていたコートが必要無くなった春先でした。
本当にこれだけは言いたいです。
じつは私この健診直前に医療保険に入れているんです。(それはそれでラッキーでしたが)。それくらいだれが見ても「まさかそんなことが起きるなんて」という妊娠経過でした。
妊娠出産はなにが起きるかわかりません。
わずかな異変でも早めに受診して欲しいなと思います。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
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著者:白目みさえ
年齢:30代
子どもの年齢:6歳、4歳
心理師として精神科に勤務するとしごの母。生粋のオタクです。基本的に白目をむいて育児をしており、その様子をカルタにしたものを増産しています。ライター、イラストレーターとしても活動中。
インスタグラム:@misae_mon
NAPBIZ公式ブロガー:「日々白目むいてます」
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