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第一子妊娠中に一番しんどいのは「わからない」という不安感。年子妊娠で感じたこと by 白目みさえ

改めましてこんにちは。
心理カウンセラーとして精神科で勤務しながら漫画家活動もさせていただいております
白目みさえと申します。

私は年子の娘を育てているのですが
今回は私が2人目を妊娠したときに思ったことを語らせていただきます。

 

 

 

 

ありがたいことに年子だと言うと
「大変でしょおおおお」と言っていただいたり
「私はひとりで手一杯なのに…ふたりなんて考えられない」と言っていただいたり
することがあります。

でも私は思うのです。

2人目育児は大変っちゃあ大変です。

年子だと年齢が近くて大変だし
3-4歳離れていると一緒にできることがほぼなくて大変だし
もっと離れていると久しぶりの育児で大変だし
3人目や4人目もそれはそれで大変さがあるでしょう。

そうやって人数が増えると大変さが増していくように思いますが
だとしたら1人っ子や第一子の妊娠や育児は大変じゃないはずですよね。

でも1人目の妊娠・育児には1人目にしかないしんどさがあるのです。
それは「わからない」ということです。

思えば1人目の妊娠の時はもう大変でした。

お腹に赤ちゃんがいることはわかりますが、どこまでが平気でどこからが危ないのかが全くわからないのです。

そして身体の変化も毎日が未知の世界。
つわりが訪れるし、身体ってこんなにむくむんだと思うし、痩せたり太ったりお腹が出たりもう大忙し。なんですか貧血って。なんですか高血圧って。
私が最初に「胎動だ」と思い込んだものはただの腸内のガス移動でした。

 

そして周りの人は容赦なく「怖い情報」を持ってきます。
切迫流産やら初期流産やら陣痛促進剤やら帝王切開やら。
陣痛の「じ」の字も経験していない人間に
「36時間陣痛に耐えた挙句に帝王切開になった」とか言われても
稲〇淳二の怪談ばりに震えることしかできませんもの。

1人産むだけでこんなつらい怖い思いをするのに
2人目なんて絶対に無理だって何度も思いました。

でもいざ2人目を妊娠した時は
自分がどの辺りで悪阻がキツくなって、その時に何があれば便利だったか
身体が重くなって動けなくなる、移動しにくくなるのはいつ頃でどこまでなら行けるか
新生児用品は産休に入った頃にはもう用意しておくのがベスト、など
一度経験している分なんとなく見通しが立てられました。

たしかにつわりや身体変化は苦しかったですし、1人目と2人目で若干の違いはありましたが、それでも「未知」の怖さはかなり軽減しました。

これは出産後に育児が始まっても言えることで。

1人目の時は一瞬目を離して2秒くらいぼーっとしてふと見たら、なんか思いっきり吐いていたりして。静かに吐かれるとこっちもわからないので、つきっきりで見ているしかないのかと思ってトイレにもなかなかいけなかったのですが。

2人目の時は吐くことは前提であると考えて、私が見ていない時に吐いたとしても窒息しないように巻いたタオルを噛ませたりしながら対応していました。なんとなく何が危険でどこまで大丈夫かがわかっていて、「未知」が少し減っていたんだろうなと思います。

年子育児は、2人も赤ちゃんのようなものがいて物理的にはとても大変でしたが、緊張感は1人目ほど強くなかったと思います。

注意すべきことはきちんと守るべきだと思いますが、
たとえば離乳食が教科書通り進まなくても、最終的にどうなればいいのか、なぜこの時期にはこの形状のものを食べなければならないのか、などがわかっていると少々教科書からズレたとしてもおおらかな気持ちでいられました。

目の前には「大丈夫だった1人目」がいるからなのかもしれません。

育児の大変さは、子どもの数や子どもの性質、そして取り巻く環境によって異なりますので、一概に何が一番しんどいとは言えません。

でも今何人お子さんがいたとしても「1人目」の緊張感はみなさん共通して経験していたのではないかと思います。

そのくらい「1人目」の「わからなさ」って強烈なんだなと思います。

年子育児が楽だったとは言いませんが…。
妊娠期の体や心の変化、授乳の苦労、昼夜逆転サイクル、抱っこ紐で前抱きできるタイミングや離乳食、歩き始め、イヤイヤ期など、長女を追いかけるように次女が同じことをしてくれるので、記憶が新鮮な内に対応できるのは良かったなと思います。

そしてそんな2人ももう小学生になりました。
赤ちゃん育児の大変さは減りましたが、小学生ならではの大変さは増えています。

でも2人で仲良く同じことをして遊んでいるのを見たりすると
「年子って可愛いなあ」と心から思います。

 

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著者:白目みさえ
年齢:30代
子どもの年齢:6歳、4歳

心理師として精神科に勤務するとしごの母。生粋のオタクです。基本的に白目をむいて育児をしており、その様子をカルタにしたものを増産しています。ライター、イラストレーターとしても活動中。書籍『日々白目むいてます(SBクリエイティブ)』『白目むきながら心理カウンセラーやってます(竹書房)』、新刊『子育てしたら白目になりました(KADOKAWA)』発売中。

インスタグラム:@misae_mon
NAPBIZ公式ブロガー:「日々白目むいてます」

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