第一子出産は緊急帝王切開でした。
お腹の子の心拍が下がって、ドクターが呼ばれてから、陣痛室がドラマみたいにドッタンバッタンして、私は陣痛に襲われながら採血されたり心電図取られたり手術やらなにやらの同意書にサイン書かされたり。
あれよあれよと事が運び、ふと我に返ったのは、脊髄麻酔をぶっ刺されてあまりの痛さに「いったあああああい!」と叫んだ後、陣痛の痛みがすーっと引いた、手術台の上でした。
痛みが引いた喜びよりも、「なんでわたし、こんなことに?」という混乱の方が、大きかったのを覚えています。
対して、第二子は予定帝王切開になることが決まっていました。
36週の「最後の健診」では、1日がかりで、いろいろな科をハシゴして、検査や説明を受けます。
産科での念入り健診+胎児エコー、胸部レントゲン、心電図、麻酔科の説明……。
「本来これだけの準備をする“手術”を、緊急で決行したのか……」
いろいろと思い出されて、怖くなってきました。
「1、2、3!」でストレッチャーに乗せられたこと。
手術室の広くて冷たい空気。
「冷たいですか?」と当てられた小瓶の冷たさが、どんどんなくなっていったこと。
お腹の下の方で、「なにかされている」、確かな感触。
お腹を「ぐっ」と押されると、「出てきましたよ~!」赤ちゃんと、待望の対面。
ちっさくて、かわいくて、涙が出て。
痛みもなかったので、赤ちゃんのかわいさを十分に感じられたのかもしれません。
そう。
痛みはなかったんです。
知らなかったんです。
手術の後、あんなことになるなんて……!!
手術前に背中に刺された痛み止め刺さったまま、尿管もささったままで超違和感、
痛み止め入ってるはずなのに後陣痛超痛い、
腹切られたところ超痛い、
産褥熱で39度以上出てるけど絶飲食で水も飲めない、
寝返り打てない、
膝から下にむくみ防止のマッサージマシン装着されて一晩中ウィンウィンいってる、
股から血どばどば出てる、
ホルモンバランスガッタガタでツラさ最高潮で涙止まらない……etc etc
ハッキリと、蘇る記憶。
麻酔科の先生を前にして、
「すみません、やっぱ辞めます!!!!」
と逃げ出そうと思いました。
経験したからこその、恐怖。
でも……その先。
そんなツラさも、術後3日ほどで、ずいぶん楽になったことも、思い出せます。
そして、退院してからの、ドタバタ☆だけど、かわいいかわいい赤ちゃんとの生活。
うん。
そうでしたそうでした。
となると、とりあえず、あの夜を乗り越えればいいんですよね。
「……よし!今度の術後は、テレビカード買ってテレビ見まくって気を紛らわせようっと!!あ、iPadに動画ダウンロードしとくのもいいな!」
そうと決まれば、入院バッグに、イヤホンをスタンバイ☆
そうそう、「入院中しか、ゆっくりできる時間はない」というのも、経産婦なら知ってることですもんね。
>>>次回のエピソード:2人目の性別はお財布的にも切実…のはずが!いざ女児と分かって新たな扉が開く
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:4歳と2歳
マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。4歳男児&2歳女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ 流し中。
website:http://umeyon.net
最新刊:「伝えるチカラを身につけたらダメ旦那が稼げる男になりました」
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