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家事分担は収入比ではなく仕事量とかかる時間で分担。モヤっとしない“家族運営”のカタチ by うだひろえ

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家事育児の分担の話になるとよく聞くのが、「稼ぎの多さ」(収入の高さ)で分担の比率を決める、という話。
フルタイム勤務の夫:時短やパートの妻、の場合、収入によって7:3、8:2、9:1としたり、専業主フ(婦or夫)だからと10:0にする、なんてことも。

でもそれ、収入や勤務時間が不規則な仕事をしているフリーランスな私からすると、「おかしくないですか!?」と叫びたくなります。

 

そもそも、「お金を稼いできて家庭に入れる、生活費を稼ぐ」ということは、たっくさんある「家族の仕事」のひとつに過ぎないと思うんです。

もちろん、最優先事項ですし、大前提ではありますけど、他の「家族の仕事」と比較して特別偉いものではないと思います。

稼ぎの額が多いことは、とても素晴らしいことですし、家族(家庭)の運営の方法にさまざまな可能性が生まれて自由度も増し、より豊かな生活を送ることができます。
でも、それと家事育児の分担量とは、また別の話ですよね。

 

例えば私、エッセイマンガを描く仕事をしておりまして、書籍1冊分のマンガを描くのに3ヶ月~半年ほどかかりますけど、その分のギャランティが入ってくるのは本が出版されて2ヶ月~半年後です。
なので、クソ忙しい時に収入はないんですが、その間家事育児の分担を全てやるかって言ったら無理な話ですし、ギャラが入ってほくほくの時はめっちゃ稼いだから家事育児一切やらない、ってことにはならないわけです。

年収で考えても私は毎年バラバラ、夫が転職間もない頃などは私の方が年収多いくらい、だから私の方が負担少なくていいかって、そうじゃないですよね。
じゃあなにで分けるのか。
はい、そうです。「仕事量」とそれにかかる「時間」です。

 

この「仕事量」の「仕事」には、「お金を稼いでくる」という「仕事」も含んで考えて。
その他の「家仕事」、家事育児雑務全部ひっくるめてリストアップして、それぞれができることできないこと、能力差や得手不得手も考慮して、かかる時間も考えつつ、分担していきます。
ここでのポイントは、無理なく、休む時間やリフレッシュの時間も設けること。
キツキツにして破綻しては意味がないですし、病気や怪我や行事など、頻発するイレギュラーな出来事に対応できる余裕を持っておきたいですから。

 

 

そうして分担していくと、余った部分、ハミ出た部分、つまりは「これは無理!」な部分が、ハッキリと洗い出されます。

ご家庭によっては、「そんな部分ない!」という場合もあるのかもしれません。すばらしいです。

でも我が家の場合、リストアップしてみたら、私なんて自宅仕事で時間の融通も利くし仕事量もある程度調整できますけど、全部の家仕事を私一人でやるのはぜ~んぜん無理!でした。
というか、私という人間の個人的なスペックで考えた時、例え家事育児に専念したとしても、全部の家仕事を一人でこなすのは無理です。断言。

つまりは、専業主フだろうと時短・パートだろうと在宅仕事だろうと、できるできないは個人の能力差で人それぞれ、できて当然では決してないのですから、それぞれの「無理」に注目してみましょう、と思うのです。

 

そして、「無理」が洗い出されたところで、じゃあどうするか、検討するのが山場です。

例えばうちは「細かいところの掃除」「毎日のご飯作り」「繁忙期の送り迎え」「病気/怪我での通院」「毎日のアイロンがけ」などが、無理ポイントとしてピックアップされました。
それに対抗するカードとして考えられるのは、「お金をかける(外注する、延長保育やファミサポ、外食やお惣菜購入、新しい便利な家電を購入)」、「時短の工夫をする」、「ばあばにヘルプ頼む」など。

お金をかけるなら予算や段取りも、時短するにも向き不向きもあり、ばあばも仕事や都合があり、どうするこうすると話し合い、決定して。

 

こういうの、以前は私一人が「無理!」と思っていて、でもお金をかけるのは罪悪感があったり、夫にも「もったいなくない?」と言われたりして、じゃあお前やれ★と凄んだりしてたんですけど。
お互いの「無理」が可視化されているので、「お金で解決できるなら、しよう!」という考えにもなり。

「細かいところの掃除」は、休日にまとめて、プラス、月に1回家事代行さんに入ってもらい。(6千円/月。水回りや換気扇の掃除、全体のホコリ取り等。めっちゃ綺麗になる)。
「毎日のご飯作り」は、土日に作ったものを平日に回したり、冷凍のおかずや納豆など「これさえあればOK!」を常にストックしておいて、やりくり。お惣菜やテイクアウトも気軽に(リスト化しておいて子どもと選ぶ等)、それすらもしんどければパパッと外食、余裕があれば時短レシピでパパッと作る。多機能調理器購入検討。
「繁忙期の送り迎え」や「病気/怪我での通院」には、極力夫婦で仕事を調整して、延長保育やばあばに相談、ダメ元でファミサポさんも登録。
「毎日のアイロンがけ」は、夫のシャツは形状記憶、月に1回クリーニング。園のスモックやハンカチは洗って干す時に叩いて伸ばして、休日にアイロンがけ。ハンガーにかけたままできるアイロン購入検討。

こうしておくと、「休日にやること」もリストアップされるので、休みの日だからと夫が家仕事を何もしないでゲームしたりフラリと出かけたり、がなくなります。(やることやってからの「自由時間」にならOK!としてます)

 

たまたまうちは、私がフリーランスなので「稼ぎより時間」で割るほうがベストなのかなって思ったのですが。
これって、どんなカタチのご家庭でも使えるんじゃないかな、と思ったりしました。
参考にしてみてもらえたら、嬉しいです。

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著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:小1、年中

マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。年長男児&年少女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ流し中。

website:http://umeyon.net
最新刊:「家事も、育児も、お金も、紙に書くだけでお悩みスッキリ!とにかく書き出し解決術!」(KADOKAWA)

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