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「お願いっ!回って!」逆子の外回転術当日。回らなければそのまま帝王切開で… by すずか

こんにちは。3歳の娘と2年生の息子を育てているすずかと申します。

前回は外回転術を受けるまでの経緯を書いたので、今回は手術の様子を書こうと思います。

 

さて、いよいよ外回転術当日です。

この日までに頭が下になる正常位に赤ちゃんが回っていたら、何もせずに帰宅となります。

お腹に手を当てると下の方がぽこぽこ動いています。

これは正常位に戻った時と同じ感覚だ!

回ったのでは?頼む、回っていて!回ってて!!

祈りながらエコーを当てている先生の言葉を待ちます。

 

「…回ってないねぇ」

あー……。

 

私の願いも虚しく、赤ちゃんは逆子のままでした。

そこからは怒涛の展開です。

腕にプスっと点滴をさされ、ベッドに横になります。

なんだか気分が悪い…。

点滴と相性が悪かったのかぐったりしていると、ベッドのままガラガラと手術室に運ばれました。

天井にライトが煌々と光るドラマでよく目にする手術室。

それだけでも緊張するのに…。

(私のマスクは割愛しています)

赤ちゃんを回す先生、補助する先生、麻酔の先生、助産師さん…など何人もの方が次々に挨拶をしてくれるのです。

 

こんなに沢山の方が関わるの!?

ドクンドクンと心臓が早鐘を打つように動き、緊張感が高まっていきました。

 

「回らなかったらこの場でお腹を切って、安全に赤ちゃんを外に出すからね」と言われ、「そ、そうだ。ここでお腹を切るかもしれないんだ…!」と恐怖も襲ってきます。

点滴でぐわんぐわんと脳内が揺れる中、手術用の服に着替えさせてもらい、手術台に移りました。

 

「では麻酔をします。赤ちゃんが回らなかったら帝王切開用の麻酔もここから入れますね」

 

麻酔の先生が背中にブスッと針を刺しました。

痛いっ。 嘘!こんな痛いの!?

そこからすぐにすぅっと足が冷たくなっていきました。

 

「そろそろ効いていくるかな?確かめるね」

 

先生に足を触られても何も感じません。

次にお腹を触られたのですが、奥にぐぐっと鈍い感覚があるだけです。

麻酔、効いてる!!

先生が二人がかりでお腹に手を当てます。

エコーのモニターを見ながら赤ちゃんの頭の位置などを確認。

カーテンの向こうに先生がいるので声しか聞こえず、ひたすらドキドキするばかりです。

 

「じゃ、いくよ。せーの」

お願いっ!回って!!

なんとも形容し難い感覚がお腹の中を駆け巡りました。

これは…回った…?

 

「回ったよ」

「おめでとうございます」

「よかったねぇ」

 

みなさんが次々に声をかけてくれました。

やった!回った!!

元気に「ありがとうございます!!」と伝えたいのに、薬と麻酔でぐてんぐてんの私は小さく声を出すことしか出来ませんでした。

 

それから「せーの」っと手術台からベッドへ載せ替えられ、再びガラガラと病室へ運ばれました。

 

回った…。

この子は今、逆子じゃない。よかった…。

そのまま安心してすっと眠りにつきました。

 

めでたしめでたしとなれば良いのですが、それからがちょっと大変でした。

背中には緊急時のために管が刺さったままです。

どうも心地悪い。痛くはないのですがとてつもなく違和感があるのです。

そして、麻酔が切れかかった足がムズムズジンジンします。

動かしたいのに動かない。このまま足が動かなかったらどうしよう。

 

そんな恐怖を感じながら、一時間ほど過ごしていると、やっと足の指が動かせるようになりました。

あ、足が動くー。

重たいお腹をさすりながらほっと一息です。

 

回された刺激ですぐに出産となるケースもあり、赤ちゃんの様子を見るために、一日入院しました。

背中の管は再び麻酔をかける事を想定してそのままにされていたのでした。

 

正常位に戻った。

さぁいつでも産めるよ!ここ病院だし丁度良いよ!赤ちゃんカモン!陣痛カモン!!と一晩中お腹に話しかけたにも関わらず、何事もなく退院となりました。

 

手術から約一週間後、陣痛を感じ、病院へと向かいます。

無痛分娩だったのでさっと背中を出して、麻酔を打ってもらう準備です。

また、あの注射の痛みか…。産んだ後はまた足のジンジンムズムズか…。

………よし来い! 気合いを入れたものの、チクチクつぷっとした小さな痛みのみ。

 

「外回転の時より痛く無いんですね」と拍子抜けして麻酔医さんに言うと、「痛くないように皮膚の表面も麻酔しています。麻酔の種類も違うんですよ」とのこと。

本当だ!足が動く!!! そして陣痛が全く痛く無い!!!

そこからは先生が教科書に載るような安産だねと言う程の、平和な出産となりました。

バタバタとした妊娠後期を過ごす原因となった娘。

現在は3歳となり、高い所からぴょんと飛び降りて柔軟に着地をしたり、前転をしたり、身体を動かすことが大好きな子に成長しました。

思い返せば常にぽこぽこと元気な胎動で、ぐるぐると回転し、お腹の中からその兆候はあったのかなと思います。

思いもよらない決断を迫られ、二人目の出産はびっくり尽くしでした。

 

あわあわする私にしっかりと向き合い、方向を示して下さった先生をはじめ、関わって下さった皆さんに心から感謝しています。

あと、素直に回ってくれた娘にも!

(外回転術は麻酔をしない病院もあるそうです。 私がお世話になった産院は緊張するとお腹が硬くなって回りにくいから麻酔をしているという事でした。

また、無痛分娩も産院によって無痛の程度は様々です。あくまでも一例として読んでもらえると幸いです)

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著者:すずか

おしゃべり息子のおかげで賑やかな日々を過ごしていたのですが、娘が産まれてさらに賑やかになりました。 インスタでゆるゆると子育て絵日記を描いています。

インスタグラム:@suzuqua

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