妊娠糖尿病の診断が下りたのは、夫の転勤で愛知県に引っ越す前の宮崎にいる時でした。
16週目にブドウ糖を飲んで、血糖値を測る検査をしました。
自分では元気なつもりだったのでびっくりでしましたが、妊娠糖尿病という診断が出ました。
妊娠中は誰もが子供に栄養をあげるために、血糖値が上がるそうです。
それが過剰に上がってしまうのが妊娠糖尿病で、子供に障害が出たり巨大児になったり、胎盤の機能が弱ってしまう等悪影響のある病気です。
引っ越し前なので、宮崎の内科の先生からは、「愛知で病院を探して治療を受けてください」と言われました。
私は元々がかなりの大食漢だったのが、妊娠で加速している状態でした。
そのため、まだ驚いただけでよくわかってなかった私は『治療や対策は愛知に行ってからでいい』と思い、最後だとばかりに宮崎の名物を食べまくっていました。
そんなこんなで18週目には愛知で病院に行きました。
そこで看護婦さんにこう言われたのです。
「妊娠糖尿病は対策しないと子供の成長に問題が出て、最悪おなかの中で死ぬことがある」
軽く考えていた私は、鈍器で殴られたような気持になりました。
悪化すればインスリンを打つことになるということで、自己注射の方法も教わりました。
そこから、毎日食前と食後2時間後に血糖値を測る日々が始まりました。
自分のせいで子供がおなかの中で死ぬかもと、血糖値が上がる度にへこむ毎日。
最初は想像以上に上がる血糖値に恐怖しました。
ただ、毎日続けることで新しい発見もありました。
パンやうどん、野菜などは血糖値はそんなに上がりません。
しかしご飯はとっても上がります。
そこで野菜中心の食生活に変えると、血糖値を問題のない範囲まで落ち着かせることができました。
大好きだった果物ジュースも飲めず、子供の頃から大好きなカルピスも少し飲んだだけで捨てました。
お菓子もほとんど食べませんでした。
糖質制限に近い形でしたが、糖質は少なくとも必ずとる事を心がけました。
野菜や肉等のおかずはしっかり食べても、元々が大食らいなので、毎日おなかがぺこぺこです。
甘いお菓子が食べたい時は、ご飯の代わりに食事の時に食べたりしました。
時折ファストフードも無性に食べたくなりました。
ファストフードを食べると食後2時間後の血糖値測定では数値が上がらないのです。
でも、脂肪分が多いのか12時間後の測定では飛び上がる程上がったため、恐怖で口にできなくなりました。
普段は血糖値の数値が140くらいなのですが、これだけは200とか220とかが出るのです。
体重は愛知で病院に行く18週目までで妊娠前から7kg増えていました。
その体重から一度1kg下がり、出産直前で妊娠前から7.5kg増とほとんど増えることはありませんでした。
食事の注意としては、愛知の病院では普通の糖尿病の食事指導でした。
33週目で里帰り出産する大阪の病院にかかり、妊娠糖尿病用の食事指導を受ける事ができました。
パンやごはん等の糖質を食事時は減らし、その分を食間に少しずつとる分割食というものです。
そのおかげで常におなかがすいた状態から脱することができ、最後まで食事制限だけで乗り切る事ができました。
結局、息子は2970gで出産。
出産が終われば無事血糖値は戻り、食事制限から解放されました。
ただ、糖尿病へ移行しやすい体質なので、ご飯の量は産後も控え気味で生活しています。
そして、妊娠糖尿病や糖尿病の知識を得て後から思ったのですが、食事コントロールに必要以上にこだわりすぎましたかもしれません。
インスリンを使った方がストレスはなかったかもと思うからです。
でも子供のために、食事で血糖コントロールをやりきって頑張れたことはいい経験でした。
子育てをするに当たっても一つの自信になって、今も支えてくれている気がしています。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:たびたくまこ
年齢:40代
子どもの年齢:1歳8ヶ月
高齢出産は避けられない35歳で結婚、転勤族の夫について回る主婦です。
妊活で壁にぶつかり何年も大変だったものの、なんとかかわいい息子くんを授かりました。
毎日べったりでにこにこ笑う息子が幸せの糧です。
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