わたしは母乳過多の体質だったようで、産後1ヶ月のころはとくに胸の張りや痛みに悩まされていました。
子どもも母乳の勢いが良すぎてうまく飲めなかったり、まだ満腹の感覚がないため飲み過ぎて盛大に吐き戻すことも多くありました。
息子がわたしのせいで苦しそうにすることが、何より辛かったのを覚えています。
飲むほどに母乳量が増えるという情報を目にしてからは、タイマーのアプリで飲ませる時間を決めて切り上げたり、何時間おきというスケジュールを決めてみたり、量を抑える工夫をするようになりました。
母乳は飲ませた量を測ることができないので、授乳前後の赤ちゃんの体重増減から量を把握します。
わたしは10g単位で計測できるベビースケールという体重計を、2ヶ月間レンタルしていました。
産後すぐの頃は「ちゃんと飲めているかな」「体重は増えているかな」という気持ちから使っていたベビースケールも、「目安より飲みすぎていないか」「何分で切り上げればいいか」という関心ごとに変わっていました。
そんな悩みを抱えた産後1ヶ月半の頃、行政サービスの一環で助産師さんが自宅を訪問してくれました。
里帰りを終えて一人で不安だったわたしのもとに、助産師さんは3時間ちかく滞在してくれ、その間に授乳のタイミングもありました。
いつものように時計を見ながら授乳を切り上げて体重を確認したり、息子が泣いても「飲んだばかりだからあと30分くらい待ってね」と言っていると、助産師さんが「ちょっと好きなだけあげてみて」と一言。
母乳過多の相談をしたばかりだったので「なぜ?」という思いもあったのですが、「すこし規制解除して、ふたりのペースで授乳を楽しんでみてもいいかもしれないよ」と言ってくれたのです。
「規制解除」という単語が、その時の自分にはしっくりきました。
息子の様子よりも数字ばかりを気にしている自分に、少しモヤモヤしていたからかもしれません。
ものは試しと、飲みたがるときに好きなだけ飲ませてみるようにしたところ、自分が思っていたよりもトラブルは少なく、むしろ幸せそうに寝落ちすることも増えました。
きっともっと肩の力を抜いてもいいんだ、一緒に楽しんでみてもいいんだと、教えてもらった気がしました。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:かめかあさん
年齢:30代
子どもの年齢:1歳
北海道から上京したのんびり夫婦+リクガメ+息子で暮らしています。結婚10年目の2019年8月に、息子ごんさんを出産しました。妊娠中からインスタグラムで絵日記を描いています。
インスタグラム:@kamekaasan
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