なんだかんだで無事に入院生活を終えて、とうとう家に帰る日となりました。
私は里帰りはせず、自宅で夫と一緒に新生児を御世話することにしていました。
我々はフリーランス同士で夫の仕事場は自宅。元々、炊事は夫の担当なので
お買い物と食事を作ってくれる人がいるので安心です。
これから二人で頑張ろう…と家に入ると第一の難関が待ち構えていました。
ネコです。
うちの飼い猫「ファル子」は2年ほど前に大きな病気をして死にかけたことがあります。それ以来必死に看病した私にかなりの執着をしているネコなのです。
その私が9泊10日(陣痛で1泊+通常入院6日+帝王切開の場合は+2日)もいなかったため、ストレスがマックスになっていました。
どこ行ってたんじゃ〜
とニャーニャーとまとわりつこうとしたのに…
何か、見たことの無いものを抱いている!!!!!
と、ファル子はパニックに。
そして息子が泣き始めると、見た事ないくらいしっぽが膨らみ、尋常で無いテンションに!
やばい! このままでは息子がネコに襲われる!
と、別の部屋に逃げることにしました。
その間に夫がネコを捕獲。ケージに入れてくれました。
赤ちゃんとネコの共同生活をしている友達に事前に相談していたのですが
わりとみんな「一緒でも平気だよ」と言っていたため、油断していました…。
まさか、あんなパニックになるなんて…。
ケージとベビーベッドは2メートルほど離れた位置にあって、ケージの中から赤ちゃんが見えるようになっていました。
しばらくの間、赤ちゃんが泣いたらケージの中でネコがパニックになる…
という生活になったのですが、
1週間ほどで
「こいつは敵ではない」
「動けないみたい」
「これは…赤ちゃん?」
という感じで理解したらしく、突然憑き物が落ちたかのように普通のテンションになり、唸らなくなったのでケージから出してみました。
すると、ネコのほうが息子に対して距離を詰めるようになりました。
そして気が付けば、すっかりネコはお姉さんになっていました。
見守るように近くにいたり、一緒に寝てみたり。
そして私も気が付けばおっぱいも無事に出るようになっていて、ミルクと混合ではあるもののほとんど母乳でいけるようになりました。
ちなみにおっぱいは出産後2週間くらいしてやっとまともに出るようになりました。
出産前に「乳首をマッサージしておくように」
って言われたけど
「乳首を柔らかくする」のゴールがどこだかわからなかったんですよね。
まさか、あんなに乳首が柔らかくなるなんて、出産するまでわからなかった!!!
3時間毎に授乳をしていて、夜も寝られない…という状況を避けるため、夜中0時のミルクだけはパートナーに任せてまとめて寝るようにしていました。
パートナーはオムツ替えも抱っこでの寝かしつけもできたので、二人で力を合わせて新生児期を乗り越えました。
1ヵ月間、私と息子は家の中に籠もっていましたが、パートナーもネコも
こうやってみんな合わせて家族になるんだなあと感じました。
共働きで仕事も家事もシェアするなら、生まれたての新生児の時はパートナーにも仕事を減らしてもらって、家族みんなで一緒に過ごすと「子育ての大変さ」を二人で分かち合えるのでいいなと思いました。
出産4日目に
「あれ? うちの子かわいい?」
となってからずーっと、息子はかわいく、産んだ後に「こんなにお世話するの大変なのに報酬0円なの?」と思ったのが嘘のように「かわいさが報酬」というメンタリティになって、自分でもビックリです。
私がこんな子煩悩な人間になるなんて?!
と、たまにふと思ったりします。
妊娠してから出産にいたるまで
「自分が母親になれるのかな?」
という不安が常にずっとあったものの、私の場合は確かに昔の人は言った通りの「案ずるより産むが易し」という結果になりました。
とはいえ、全然産むのは易くなかったんですが!!
(ありがとう! 現代医療の力!)
そして、産むよりも育てる方が更に容易くはないわけですが、家族で力を合わせて楽しくやっていきたいと思っています。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:水谷さるころ
年齢:41歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
【新刊情報】結婚をして離婚。そして再婚に事実婚を選んだ、26歳から36歳までの体験を描いたエッセイコミック「結婚さえできればいいと思っていたけど」(幻冬舎)
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